絶叫シンデレラと狼女②
「うぅーーーー」
うめくような声が、部屋の中に響きました。
その瞬間、Aちゃんがびくりと体を震わせて言いました。
「何の音?」
するとBちゃんが周りを見回しながら言います。
「え?誰かいる?」
Aちゃんは耳を澄ませながら、
「音というか……これ、声……」
と言いかけました。
その言葉が最後まで出る前に、二人は同時に絶叫を上げました。
そして、転げるようにして部屋から逃げていったのです。
Aちゃんは、いかにもOLらしい、少し背伸びしたおしゃれな服に高いヒールを履いていました。
それなのに、その走りはまるで陸上選手のような見事なフォームです。
一方、Bちゃんはというと、腰を抜かしかけているのか、ほとんど四つん這いの状態。
それでも驚くほどのスピードで走っていきます。
まるで狼女のようでした。
その光景を見た瞬間、私は怖さが一気に吹き飛んでしまいました。
気づくと、声を出して大笑いしていました。
たぶん、この感覚は少し説明しにくいかもしれません。
例えるなら、ホラードッキリを仕掛けられて、怖がって逃げる人を見ている側のような感じです。
ひとしきり笑ったあと、ふとエレベーターの方を見ると、床にAちゃんのパンプスが転がっていました。
高いヒールのパンプスです。
ということは——
彼女は片方のパンプスが脱げた状態で、あのスピードで逃げていったということになります。
しかも、あの陸上選手のようなフォームで。
そう思うと、またおかしくなってしまい、しばらく笑いが止まりませんでした。
そんなふうに笑っていると、エレベーターのドアが静かに開きました。