新規の部署
その部屋で仕事をすることが長くなってきた頃、そのプロジェクトが改めて新規の部署として動くことになりました。
それまでは私たちは出向として集まっていましたが、今度は完全に新しい部署です。
そうなると、本当にその部屋だけで働くことになります。
驚いたことに、山本さんはメンバーから外れていました。
これはあとから聞いた話なのですが、山本さんは何もかも怖くて本当に嫌で仕方なく、どうにか外して欲しいと以前から懇願していたそうです。
怖いのは私も同じでしたが、ひとつ違うのは、山本さんは私のことも怖かったということです。
山本さんから見た私は、
時々ハッとしたように振り返って何もないところをじっと見ていたり、
山本さんが普通に仕事をしているのに「今のなんですか?!」と突然怯えた様子で周囲を見たり、
他に誰もいないのに一人で誰かに返事をしていたり、
誰もいないところを見て嫌な顔をしていたり……
などなど、何かを察知しているような様子がとても怖かったそうです。
また、前回の話のように、時々ヘラヘラしながら霊の話をしてくるのも、とんでもなく怖かったそうです。
私のことも怖かったなら仕方ない、と思いました。
言い訳をさせてもらうなら、私がそうして反応したり山本さんに話したりしたことはほんの一部でした。
それだけ、その部屋ではおかしなことがたくさん起きていたのです。
けれど今思えば、気が付いても同室の方のことを考えて黙っているという気遣いがあればよかったのに、と感じています。